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なのははなかなか寝付けないらしく、暫くユーノと念話していた。
というよりなんで俺は大人側に参加させられてるんだろうか。
あとお2人さんよぉ、俺やはやてにも聞こえちまうからオープン回線で話すのはやめろっての。
内心突っ込みを入れながら、忍の酌を受ける。
アルコールは肉体に影響するものだから、中身がもうすぐ20歳とはいえ俺に飲ませちゃ駄目だろう、と毒づきながらも断る事はない。
ま、親父もお袋も結構な酒豪だったらしいので平気だろう。
【それでも程ほどにしておいて下さいね。
いざという時役に立ちませんでした、じゃ洒落になりません】
【わーってるよ】
と言ってる傍から反応有り、か。
なのはもユーノも動き始めてるな。
「恭也」
「行って来い」
言葉は短く、込められた想いは多すぎて読み取りきれない。
それでもそれに頷くと、俺は席を立った。
走る。
「ドラッケン、セットアップ」
≪stand by ready, set up≫
林に入った瞬間バリアジャケットを纏い、飛翔。
≪boost flier≫
「行くぜ!」
≪ja, my king≫
加速──この方向は確か川の方だったな。
目的地に光が奔る。
っ、もう封印されちまったかっ!
「あーららあ、あらあらあら」
見えたのは対峙するなのはとあの子、そしてなのは達の話に出てきた使い魔らしき女性。
生えてる耳や尻尾から判断するに、素体は犬か、狼か。
「子供はいい子でって言わなかったっけ?」
「それを、ジュエルシードをどうするつもりなんだ?
それは……危険なものなんだ!」
ユーノが咆える。
スクライアの者はロストロギアの危険性をよく知ってるから無理もない。
だが、俺はやはり金髪の彼女に目が釘付けだった。
ああ、こうして見ると本当によく似ている。
似すぎている。
まさか──と頭をよぎる仮説を首を振って否定する。
その間にもユーノと使い魔の問答は続く。
彼女等が俺に気付いていないのをいい事に、俺は静かに戦闘態勢に移行させていく。
「────いい子でないと、ガブっといくよって!」
その言葉をトリガーに彼女は人間形態を解き、獣形態[本来の姿]で襲い掛かる。
それを確認しながら俺は2組の間に一歩で割り込んだ。
「やはり素体は狼か」
≪protection≫
「お兄ちゃん!?」
自分でも驚く程に低い声が出た。
鬩ぎ合う俺の魔力と狼。
徐々に冷えきって行く思考。
さあ、やろうか。
好戦的な思考に導かれるまま魔法を行使しようとして、
≪対象をAレベルの使い魔と判断。捕縛を提案します≫
上りかけてた血が一気に下がる。
俺は今、もしかしなくとも暴走しかけていたのか。
「ドラッケン」
≪なんでしょう≫
「サンキュ」
≪なんの事か分かりかねますが、受けておきましょう≫
まったくもってできたデバイスだ。
俺の後ろにはなのはがいる。
間違っても彼女達を殲滅してしまうわけには、そんな世界をなのはに見せるわけには『まだ』いかないんだ。
気付くと狼の使い魔が魔力を練り上げ始めていた。
どうやらバリアブレイクを使えるらしい。
さてと、仕切りなおしか。
ちと出遅れちまったが……まあ、俺とお前ならなんの問題もない。そうだろう?
≪of course, my king. air bind≫
「っなんだい!? ……何も、起こらない?」
バインドと聞いて狼が反応するが、周囲は見た目上なんの変化もない。
相手が気を取り直し、再び術式を編み上げようと集中したところを見計らい、
「砕けろ」
≪barrier burst, ring bind≫
自らシールドを壊してリングバインドで捕獲完了、と。
「え……え、ええ!?」
なのはは何が起こったのかわけがわからないと言った様子で俺と狼を見ていたが、俺がいつものように笑いかけると落ち着いたのかベオウルフを構えた。
「さて、なのはが“お話”する為の状況を作り上げた以上、俺の仕事は本来ここで終わりなんだが……」
なにやら後ろでユーノと狼女が五月蝿いが無視する。
「俺も君に1つだけ聞きたい事があってな。
ああ、別に答えなくても構わんが……アリシア・テスタロッサという名に覚えはあるか?」
変化は一瞬。
ファミリーネームの所でその瞳は揺らぎを見せ、次いで赤の中に疑問が浮かび上がった。
「そうか。俺からは以上だ。
なのは、後はお前が好きにやれ。ただし3つまでな」
「うんっ! サードリミット・リリース!」
はやてのリンカーコアに配慮してDクラスに抑えられていた魔力が一気にAAAまで膨れ上がる。
その急激な変化に驚いたか、全身に黒を纏った彼女は目を剥いた。
見詰め合う2人。
戦闘に思考を切り替えたなのはの横顔は、普段の向日葵のイメージからむしろ日本刀のそれへと変化している。
「それで、どうするの?」
口を開いたのはあちらが先で。
どうやらその言葉はユーノや俺にも向けられているようだ。
「俺は手を出さん。
ユーノ……ああ、そこに居る坊主の事だが、そいつにも手は出させんよ」
「アランさんっ」
「ま、俺も本当ならこんな荒事なのはにゃさせたくないさ。
けどな、ユーノ、お前が思ってる以上にあいつは頑固で、でもって真っ直ぐだ。
これから先何度も、生きてりゃこうしてぶつかり合う事はあるだろうよ」
「だからって……」
「拳が全てと言うわけじゃない、言葉が全てとも俺は言わん。
必要なら力でぶつかり合い、その中で理解する事もある。
いいか、ユーノ、勘違いしちゃいけない。これは、あいつの、戦いなんだ」
「お兄ちゃん、全部任してもらっちゃって、いいよね?」
なのはに聞こえない程度の声でユーノを説得していた所、いいタイミングでなのはからの確認が入る。
ほれ見た事かとユーノに向かって肩を竦めて見たら、苦々しい顔を返された。
とりあえずなのはに大丈夫だとアイコンタクトしてから、言葉を続ける。
「あとはまあ、俺の勘だな」
「勘、ですか?」
「ああ、これはきっと必要な戦いだって、どこかでそう思ってる俺がいるのさ。
きっと、なのはにとっても……あの子にとっても」
「それって……?」
「まあ、見とけって。大丈夫だ、危なくなったらちゃんと助けるからさ」
「………………はい」
未だ納得いかないと言う顔をしながらもユーノは渋々と頷く。
やれやれと内心嘆息しながらなのはの方を見ると、なのはは未だ俺を見詰めていた。
1つ、ただ頷いてやる。
それを見届けてからなのはは彼女と向き合った。
「話し合いで、なんとかできる事ってない?」
「私はロストロギアの欠片、ジュエルシードを集めないといけない。
そしてあなたも同じ目的なら、私達はジュエルシードを賭けて戦う敵同士って事になる」
「だからそういう事を簡単に決め付けないために、話し合いって必要なんだと思う」
「話し合うだけじゃ、言葉だけじゃきっと何も変わらない。
────伝わらないっ!」
「っ」
その叫びを合図に戦闘が始まる。
俺は腕を組んで、参戦しない意思を示す。
ただ彼女達の姿を追うに留めると、ちらりと狼の方を横目で見遣る。
もうちょっと時間はかかりそうだな。
彼女が苦戦しているのを確認していた所、金色が大きく動く。
高速機動で背後を取っての強襲か。
なるほど、セオリー通りだが、
「それじゃ通じんよ」
いったい何年あの子が俺達を相手にしてきたと思っているのか。
動きから見てあの子も相当な訓練を積んでいるのが分かるが、
「その程度じゃうちのなのはは倒せない。
が、少々まずいな。なのはの方に迷いが見える」
≪恐らく“お話”が途中で終わってしまった事が影響しているのでしょう≫
やはりこうなったかと溜息をついた。
戦場の心構えなんかは実践を通して学んで行くしかない。
今のなのはは戦場に出たばかりの新兵も同じだ。
彼女の足元を抉る様な攻撃を、なのははフライヤーフィンで上空に避ける。
2人が一度距離を取った事を確認して、俺は口を開いた。
「なのはっ」
「な、なに? お兄ちゃん」
「剣こそ使わんがお前は御神の戦士だろうがっ」
「だけどっ」
必要とあらば拳で語れ、と口に出さずに目で伝える。
黒の魔導師が追撃をかける中、戸惑っていたなのはは決心したようにベオウルフをナックルフォームへ変化させた。
なのはの主張は話し合いたい、彼女の主張は話してもわからない。
どこまで行っても平行線。
ならば──
攻撃を避けられた彼女が埒が明かないとばかりに口を開く。
「賭けて、それぞれのジュエルシードを1つずつ」
それはきっと彼女なりの譲歩の結果。
──やるしか、ないだろう?
それ聞いて、なのはは1度地に足をつけると今回の戦闘で初めて構えを取った。
「それでも、拳を交える事が必要だと言うのなら、
────永全不動八門一派、御神が戦士高町なのは、参りますっ!!」
≪air walker≫
「なっ!?」
ありゃ俺のエアウォーカーじゃねえか。
ベルカの術式なのにミッド式に作り変えたのか!?
なのはが文字通り空中を駆け上がる。
あちらは砲撃の構えに入っているが、それを無視してなのはは右手を構える。
肘を中心に回転させ、引き絞って……っておい、嵐螺子の構えだぞ、それ!?
「いっけぇっ」
≪knucle buster torunade≫
なるほど、砲撃と組み合わせたのか。
回転が入る分貫通性は高い。
金の閃光は桃色の嵐に押し切られ、
「っ!?」
「っ!?」
技後硬直を狙い動いたなのは。
互いに同じ事を考えていたのか、真正面からかち合ってしまう。
だが甘い、甘すぎるぜ。
超接近戦はこちらの土俵だ。
「はあああっ」
右正拳から左肘、回転して右回し蹴り。
小回りが利くのがエアウォーカーの最大の特徴だ。
一方のあの子は今までの動きから考えて高速戦闘がメイン。
動きはどうしても直線的になる。
「うそだろ、フェイトが同年代に押されるだなんて」
「当然だ。あの子を誰だと思っている。
御神の剣こそ継げなかったが、御神の剣士3人と俺に鍛えられた、御神の戦士の1人だぞ」
彼女の名はフェイトと言うらしい。
うっかりな使い魔の言葉に反論しながら、心にメモする。
ちなみに彼女、先ほどリングバインドを破ったが、その外側に待機させてたエアバインドに捕まって振り出しに戻るを体験している最中である。
ユーノの「アランさんって性格悪いよね」という呟きを、優しい俺はスルーしてやる事にした。
「っ、強いっ」
なのはの攻撃を避ける度、自分の周りにスフィアが浮かんできているのに気付いているのだろうか、あの子は。
気付いて、ないんだろうなあ。
「凄い……10……20……30……まだ増えていってる」
「現在の最高記録は確か89だったな。そろそろ3桁の大台に乗る」
「化け物かい、あの子は……」
同感。
ちなみに俺はスフィア操作だけに集中しても30位が限界だった。
才能ありすぎだろ、あいつ。
っと、状況が動いたな。
なのはが距離を取った事により、彼女は初めて自分の周りに浮く大量のスフィアに気付いたらしい。
徐々に蒼白になっていく顔色。
俺達は外側から見ているからまだ平気だが、内側にいる彼女にかかるプレッシャーはどれほどのものか。
「ベオウルフ、刀を」
≪device form, light blade≫
基本の刀型を握ると魔力刃を発生させ、腰溜めに構える。
「きっと、こんな形じゃなきゃもっと楽しめたのにな」
心底残念そうに呟くなのはに、バトルマニアめ、と内心苦笑する。
争い事が嫌いな癖にバトルマニアってのはどんな矛盾なんだかなあ。
俺がぼやいている間も、彼女はスフィアに囲まれているので動けない。
そう、身動きが取れないのだ。
つまり、なのはは好きなだけ彼女と話ができるって寸法だ。
「昔頑なになってた私に、お兄ちゃんが言ってくれた事があるの。
『なぁなのは、お話しようか。言葉にしなきゃ伝わらない事も、たくさん、あるんだ』って」
「あ……」
それはいつかのなのはに向けて贈った言葉。
一言一句違えずに、なのはは復唱してみせた。
あんなに小さかったのに覚えているなんて。
「あなたと、お話がしたい」
真っ直ぐ、彼女の目を見て、なのはは想いをぶつけた。
≪put out≫
「バルディッシュ!?」
驚く彼女のデバイスからジュエルシードが吐き出される。
「優しい子だね。
大丈夫、もうあなたのご主人様を傷付けるつもりはないから」
なのはは穏やかな顔でバルディッシュを褒めるとスフィアを消した。
恐らくジュエルシードに刺激を与えないようにという配慮だろう。
2人が地面に降り立ち、なのはがジュエルシードの回収を終えた丁度その時、
──────バリンッ
「フェイトッ、逃げるよっ」
「アルフッ!?」
ようやくエアバインドを解いた狼──アルフがフェイト嬢を掻っ攫う。
「待って!」
なのはの声にフェイト嬢だけが反応した。
アルフの手から抜け出し、背を向けたまま地面に降り立つ。
その場で戸惑うように立ち止まったアルフは、フェイト嬢に指示を出されると去っていく。
彼女は振り向く事なく、だが未だ立ち止まっている。
「名前……あなたの名前は?」
「フェイト……フェイト・テスタロッサ」
ちらりとこちらに顔を向け、それだけを告げると再び彼女は歩き出す。
俺は、よく分からない衝動に身を任せ、その背中に言葉を投げかけた。
「フェイト・テスタロッサ……また、会おう」
ただ……それだけを。
彼女は一瞬息を呑み、それからゆるりと首を横に振って再び足を動かし始める。
もはや俺に彼女を追うつもりはなかった。
ユーノは追いたそうな様子だったが、視線で制す。
っていうか最近ユーノ空気だな。
バリアジャケットを解除したなのはがこちらにやってくるのを見て、俺もジャケットを解いた。
「お兄ちゃん……」
「ん、お疲れ。よく頑張ったな」
軽く撫でてやるとぽふっと抱きついてきた。
そのままなのはを撫で続ける。
ユーノは気を使ったのか、部屋に戻っていった。
「私の言葉、伝わったかな?」
「さて、な。しかしテスタロッサ、ね」
「……お兄ちゃん」
はて、妹よ。
何故いきなり体感温度が2度も下がるですか?
俺の記憶が正しけりゃ、さっきまでなのはを慰めていたはずだったのだが。
「アリシアちゃんって、誰かな?」
俯いている上に俺の胸に当ててるせいで顔が見えない。
それがいっそう俺の恐怖を煽る。
いつの間にこんな威圧感を出せるようになったのだろう。
やはり、母さんの娘なだけはある。
成長したな、なのは。
≪現実逃避は程々にお願いします、キング≫
「思考を読むな」
≪なら垂れ流さないで下さい≫
「お兄ちゃん!」
ああ、もうわかったよ。
どうせ俺が悪いんだろうっ。
橋の欄干に座ると、なのはが当たり前のように膝に乗ってくる。
なんでこんな甘えん坊に育っちゃったかなあ。
まあ俺が甘やかしたせいなんだろうけど。
「っくしゅん」
「ああ、寒いか?」
バリアジャケットを解除したせいで今のなのはの格好は寝間着1枚。
とりあえず後ろから抱きしめ、寒くないようにしてから空を見上げた。
満天の星空。
彼女はこんな空を見た事があっただろうか。
「そうだな……アリシアについて、か」
「うん。今まで聞いた事がなかったから、ちょっと気になってたの」
そりゃそうか。
俺がアリシアの事を進んで話そうとするわけがない。
「アーシャ、ああ、アーシャってのはアリシアの愛称だ。
アーシャはな、俺の幼馴染だ」
「お兄ちゃんの?」
「おう。俺の2こ上でな、よく俺が面倒を見てた」
「……お兄ちゃんが見られてたんじゃなくて、逆なんだ」
変わらないねとなのはが笑う。
まあ当時でも中身は20を越えてたからな。
「そのアーシャとな、そっくりなんだ、あのフェイト嬢は」
「あれ、でもお兄ちゃんの2こ上なら」
「今年で22になるな……生きていれば、の話だが」
俺の腕の中でなのはが息を呑む。
それに気付かない振りをしてそのまま続けた。
「16年前だ。
彼女の母が手がけていたプロジェクトの暴走事故によって、彼女は亡くなった。
当時彼女は5歳、俺は3歳だったな」
「5歳……」
「テスタロッサ、か。随分と懐かしい名前を聞いたもんだ」
「フェイトちゃんはアリシアさんの関係者なのかな?」
「まず間違いないだろうな。ファミリーネームが同じで容姿もそっくり、これで無関係と言われても信じられんよ。それに……」
余計な事まで言いそうになって一度口を閉じる。
方向を修正しなければ。
「?」
「……フェイト嬢もアリシアの名前に何か引っかかるものがありそうだ。
あの子は感情を殺す事に慣れていても隠し事には向かないな」
一気に喋ってから溜息をつく。
するとなのはがとん、と俺に寄りかかり、肩へ後頭部を乗せる。
「どうした? 今日はやけに甘えん坊だな」
「ううん。ただ、放っておくとまたお兄ちゃんが1人で背負っちゃいそうな気がしたの」
「厄介事が次々増えて行きやがるとは思うが」
うんざりと言った様子でぼやくとなのはがクスクス笑う。
尤もいくつか最悪を考えて仮説を立ててたから、なのはの勘も捨てたもんじゃないけど。
「さて、そろそろ帰るか」
「うん、皆のところに帰ろう、お兄ちゃん」
なのはが俺の膝から降りたので、俺も立ち上がる。
なのははそのまま少しだけ早足で歩ていくので、どうしたのかと首を捻って見ていたら、俺から10m程離れた所でくるりと振り返った。
「ねえ、お兄ちゃん」
「なんだ?」
「知ってた? お兄ちゃんの肩ってね、私よりちょっと大きい程度で実はまだそんなに大きくないんだよ」
「?」
意図が掴めないままなのはを見る。
月明かりに照らされた妹は、なんだかいつもと違う人に見えた。
「今はまだ遠くて届かないけど、いつか私もそこまで行くから。
そうしたらその荷物を私にも半分分けてくれますか?」
そうしてなのはは決意を込めた顔で笑う。
いつものように向日葵の笑顔ではなく、強く儚い桜のように。
一瞬俺は馬鹿みたいに呆けて、それから笑った。
「そうだな。届いたら分けてやるよ」
このお人よしが。
自分から進んで背負わなくてもいいのにと考え、首を振る。
この子が背負おうとしているのは、『俺の荷物』、か。
…………本当に俺は駄目兄貴だな。
内心で嘆息してからなのはに並んで歩き出す。
問題は先送り。
とりあえずは残り少ない休日を楽しんでおく事にしようか。