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それは父さんや恭也、美由希に加え俺でさえ当てはまる、不破の血が成せる業といってもいい。
もちろんなのはも例外ではなく、トレーニングをする俺の後ろをちょこちょこついて回っていたので、同年代より遥かに高い身体能力を持っている。
が、
「あいたっ」
「うわ、今の痛そうだね、恭ちゃん」
「うおおっ、放せアランっ! なのはがっ、なのはがっ!!」
「ええい、いい加減に落ち着け恭也。ただこけただけだろうがっ」
なぜかなのはは妙にどんくさかった。
【キング】
【なんだ?】
【解析をしてみたところこのような結果が】
【ん…………ってこれは!?】
久々にドラッケンが念話を繋いできたと思ったら、その情報は驚くべきものだった。
やれやれ、ここの所妙に平和だったのに、それも終わりかね。
「というわけで第oo回高町家家族会議、欠席はなのはのみで開催したいと思います」
ちなみになのははお昼寝中である。
「というかアランは誰に向けて言ってるんだ?」
「もちろん皆に向けてだ」
ホントダゾ?
「あはは、アランのテンションがすっごい変。で、何があったの?」
「おう、皆これ見てくれ」
ドラッケンにこの前出てきたデータを表示させる。
ウィンドウに映し出されるのは約5年前と最近のなのはのデータ。
色々な情報があるが、保有魔力値を指し示した。
「これさ、昨日ドラッケンが解析してくれたデータなんだ。
で、魔力値の所がかなり上昇しているのがわかるか?」
「確かにかなりあがっているな。
魔力値って言うのは成長と共に上がって行くものなのか?」
「リンカーコアが大きくなるから少しは上昇するけどさ。
それにしてもここまで急激に大きくなるなんて稀だな。
ましてなのはは二次成長も迎えてない子供なんだぜ」
5年前のなのはの魔力値はA、AAの俺よりも1ランクほど低かった。
≪現在のなのはさんの魔力値はキングを2ランク上回るAAAです≫
「それってすごいのかしら」
「破格だね。
そもそも優秀な魔導師をかき集めている時空管理局でも、AAAランク以上の魔導師は全体の5%にすら満たないって言われている。
魔力量だけなら管理局のエースレベルだよ、なのはは」
≪使う魔法によっては化け物クラスの攻撃が可能です≫
黙りこむ皆とは対照的にドラッケンは活き活きと解説している。
あれか、なのはの前じゃ喋れないもんだから、この5年間でストレス溜め込んだか、こいつ。
「で、だ。どうも俺が以前施した封印がリンカーコアを圧迫しちゃってるみたいなんだ」
「つまり?」
「リンカーコアの圧迫によって身体能力、特にこの場合は神経だな、その辺りに支障が出ている可能性がある」
「って事は封印を解けば」
「そうそうこけなくなる……かもしれない」
と、肩をすくめた。
いや、だって元来どんくさいのかもしれないし。
断言はできんよな、うん。
正直に言ってなのはのコアがこれだけ急激に成長するというのは想定外だった。
当時咄嗟にかけた封印を、成長する事も考慮してかけなおしたのだ。
俺の1ランク上のAAA-まで耐えられるものにしておいたのに、それを上回って成長し、たったの5年で圧迫する所まで来てしまうなんて誰が予想できる?
なお封印はなのはのコアを包み込むように俺の封印が張り巡らされている形だ。
一度目覚めたコアを覚醒前に戻す事は不可能なので、魔力放出をしないようにするのと、外部から感知できないようにするのがメイン。
今回は予想以上にコアが成長してしまったので、成長しようとする動きを封印が抑え込んでしまう形になり、その事がなのはの神経系に影響を与えているらしい。
と、ここまで説明するとなんとか全員が納得した。
「すると、対策はどうしたらいいんだ?」
妙に真剣な顔で恭也が聞いてくる。
どうでもいいが、こいつのシスコンっぷりは年々酷くなっていってる気がするな。
彼女でも出来れば直るか?
「うん、難しい所ではあるんだが……なのはに魔法を教えさせてもらえないか?」
俺のこの発言には家族全員が渋い顔をした。
「わかってるさ、こんな力ない方が幸せになれるって事位。だけど」
≪このまま放置すれば最悪体の成長にも影響が出ます≫
「だからといって封印なしで過ごすのは危険だ。
管理局に目をつけられりゃ確実に連れて行かれてしまう。
だけど俺の力量じゃ今以上に余裕を持って封印を施すのは無理だし、なのは自身に封じてもらって自衛手段を持たせれば」
「最悪は避けられるって事か」
父さんがぽつりと呟く。
姿勢を正して父さん達を見た。
「こんな事言えた身じゃないってのもわかってる。
結局の所巻き込んじまったのは俺だし、迷惑かけてんのも俺だ。
だけど……だけど、どうかなのはに魔法を教える事を許可して欲しい」
深く、頭を下げる。
これは5年前からある、俺の、俺自身の負い目だった。
チッチッと時計の針の音がうるさい。
何度針が鳴っただろうか。
いつの間にか針の音に紛れて、くつくつと父さんの笑い声が聞こえた。
「? 父さん?」
顔を上げる。
見れば父さん以外の皆も微妙に笑っていた。
「いやな、ついアランが初めてうちに来た時の事を思い出してな」
「ああ、父さんもか。俺も思い出してた」
「だよね。あの時と同じだもん」
「ねえ、アラン」
皆が笑う中、母さんが俺を呼ぶ。
母さんはあの日と変わらぬ顔で俺を見ていた。
「あの日私達は家族になったわ。
辛い事、悲しい事、楽しい事、嬉しい事、全てを分かち合う家族に。
だから、ね。
そんなに1人で背負わなくていいの。
あなたの荷物を一緒に背負えるのは私達が家族だからなのよ。
私はそれが、とても嬉しい」
「あ……」
奇しくもそれは、あの日なのはに向けて俺が言った言葉に酷似していた。
「アランが言ってきたって事はそれが最善なんだろう?
なるべくならなのはには一般人として暮らして欲しかったが、アランに任せるよ。
俺達には魔法なんて分からないからな」
「それにドラッケンも補助するんだろう?
アランとドラッケンなら大丈夫さ」
「そうだよ、ドラちゃんすごいんだから」
≪キングのサポートが私の仕事です。
あと美由希さん、ドラちゃんはやめてください≫
「は……はははっ」
なんだよ、悩んでたのが馬鹿みたいじゃないか。
目の端に浮かんだ水滴を皆に見えないように拭う。
「よし、いい顔だ。なのはを頼んだぞ、アラン」
「はいっ」
今一度ここに誓おう。
俺はこの平穏を護り通す、と。
────────interlude
アランの肩の力が抜けたのを見て内心安堵の溜息をついた。
5年と言う時間をかけて、ようやくこの子は俺の息子になったんだろう。
返事をしたアランの顔は今までのどんな顔よりもいい顔をしていた。
「なあアラン」
「なんだ、父さん?」
「1つだけ、聞かせて欲しいんだ」
「うん」
俺の雰囲気を感じ取ったのか、俄かに緊張した顔を見せる。
回りくどいやり方はアランは嫌いだろう。
だから直球で聞く事にした。
「管理局を嫌う理由は、なんだ?」
アランの変化は劇的だった。
弾かれるように俺を見、浮かんでいたのは驚愕、次いで疑問、そして困惑。
それを見て以前確信した事が真実であった事を悟る。
「えっと、その……」
「これは推測なんだが……5年前事情があって管理局を頼れないと言ってた事に関係している…………みたいだな」
珍しく視線の定まらないアランを見ながら断言する。
先程から何度も目を向けている先は……美由希。
なるほど、そういう事か。
「美由希。なのはの様子を見てきてくれないか?」
「え、でもとーさん」
「いいから。ここから先は大人の話のようだ」
そういうと美由希は渋々と席を立った。
あの子はまだ中学生になったばかり。
社会の闇を直視するにはまだ早い。
「さて、話を聞かせてもらおうかな」
────────interlude out
視線だけで察してくれた父さんには感謝を。
あの子は世界の裏を知るには未だ幼すぎた。
「始まりは……そう、親父の殉職からだ」
もはや隠し事をするのは限界。
巻き込みたくないという俺の我侭は皆を悲しませてしまう。
だから語ろう。
俺の、かけがえのない家族へ。
「ロストロギアの話はしたっけ?」
「アランがこっちに来るきっかけになったのもそれの暴走が原因だったか。
確か、失われた魔法文明の落とし子」
恭也が呟くように発言する。
あの時ちらりと話しただけの事をよく覚えているもんだ。
「そう。落とし子の中でも危険と認定されたものが、捜索指定遺失物、ロストロギア。
俺がこっちに来る原因になった“刻の砂時計”は第3級捜索指定遺失物。
そして、親父が殉職した事件の中心にあったのが、第1級捜索指定ロストロギア、“闇の書”」
「等級はそのまま危険度というわけか」
「ああ」
「闇の書、ね」
闇の書──主と共に旅をして、各地の偉大な魔導師の技術を収集し、研究する為に作られた収集蓄積型ストレージ。
頁は全部で666頁。この頁は、魔力の源であるリンカーコアを蒐集する事で埋まるが、一人の魔導師や生物のリンカーコアを蒐集できるのは一度きり。蒐集により、その術者の使う魔法をコピーする事ができる。
「それだけだと便利な代物に聞こえるんだが」
「ああ、それだけならな」
恭也の言葉に頷きながら続ける。
「まず、リンカーコアの蒐集そのものが危険だ」
リンカーコアは魔導師にとって生命力そのものだ。
蒐集されれば暫くは魔力を扱えないし、無理矢理引っこ抜かれるとコアが傷つき、最悪の場合死に至る事もありえる。
「次、闇の書が抱える防衛プログラムが常に暴走している事が挙げられる。
闇の書全ての頁が埋まり完成した暁には、問答無用で暴走し、結果魔導書が蒐集した破壊の力を周囲に撒き散らす」
3人が絶句する。
術者云々は完成後関係なくなってしまう。
むしろ術者は書の操り人形といってもいい。
完成した後に残るのは災厄を撒き散らす暴力の塊。
もう何度も管理局が暴走を止めようとしたが、そのどれもが最終的に術者ごと殲滅するしかなかったと記録に残っていた。
俺の親父は確実に闇の書を殲滅し、被害が広がらないよう現場に足止め役として残り、管理局の極大砲で術者達と共に逝ったらしい。
「なるほど。そうして闇の書は消えたわけか」
「ところがそうはならないんだ。
俺はこれが1番厄介だと思ってるんだけどな、闇の書には転生機能がある。
術者が死亡した時点で闇の書はリセットされ、次の所有者の所へ転生するんだ。
しかもその転生は、素質のある主を選び出しての完全なるランダム。
管理局も把握できてないときた」
つまりこの危険物は今もどこかの世界に存在していると言う事だ。
「これは言った事があるかもしれないけど、ドラッケンを作る為に無限書庫に2ヶ月程篭った事がある」
「いや、聞いた事がないな。無限書庫というのは図書館が凄くなったものと考えればいいのか?」
「ああ。管理世界の書籍やデータが全て収められた超巨大データベース。
デバイス関係の調べ物に詰まった時なんかに闇の書について軽く調べた事があったんだ」
閉じてたウィンドウを開く。
こっちに来てからもっぱら日本語を使っているので、データも日本語表示にしてある。
「闇の書――本来の銘は“夜天の魔道書”
暴走や転生機能は後から改悪されたもので、本来はベルカの至宝とまで呼ばれる優秀なデバイスだ。
蒐集した魔法を使える所は変わらないから、性能の良い資料本付きデバイスだな」
「改悪された魔道書、か。ところでアランの管理局嫌いとどう繋がるんだ?」
≪その先は私が説明しましょう≫
行き成りドラッケンが出張ってきた。
ま、最近出番少なかったし任せますか。
≪いつから夜天の書が闇の書に変わったのか。それを調べるためにキングは管理局のデータベースを閲覧したところ、このファイルを発見しました≫
「ちょっと待ってもらえるかしら。
そんな簡単にデータベースって見せてもらえるものなの?」
「う……」
かなり痛いところを疲れた。
当時学校を卒業したばかりの俺に、当然ながらそんな権限はない。
≪そこは裏口からちょちょいとハッキングいたしまして≫
「ドラッケン!?」
あっさりばらしやがったこのバカデバイス!?
「アラン……」
「お前なあ」
「犯罪行為はだめよ」
ああっ、家族の白い目が痛い。
もういい、この馬鹿に任せておけるかっ。
「まあその辺りは後々追求するとして。これは暗号化ファイルか?」
「……お手柔らかに、父さん。
とりあえずこのファイルはかなり厳重にロックされて管理局のデータベース内に隠されていた。で、ここを、こうすると」
手順はそう多くない。
実はこのファイル、地球式の暗号化を用いており、ミッド人には解けないようになっていた。
技術部でも開かれた形跡がなく、それよりもっと上の人間が上書きした時にのみ開かれている。
開いたファイルに検索をかけ、闇の書関連を引き出して、日本語化。
「これは……」
「まさか」
「そう、夜天の魔道書は管理局によって改悪されたロストロギアなんだ」
管理局についてはこれまで簡単な説明しかしてこなかった。
だからだろう、3人が信じられないといった顔をしているのは。
「なんでこんな事を」
母さんが唖然と呟く。
目は未だ表示されたデータを追っていた。
「『権力は腐敗する、絶対的権力は絶対的に腐敗する』」
「……イギリスの思想家の言葉だったかしら」
「同時に政治家でもある。至言だね。
管理局ってのはな、母さん。
『次元世界をまとめて管理する、警察と裁判所が一緒になった所』なんだよ。
つまり、逮捕権を持っている機関が犯罪者を確保して、そのままそこで裁くんだ。
そんな風に権力が集中すれば、上の連中が考える事はおのずと決まってくる。
尤も、局の中心自体は創立当初から腐っていたようだけど」
そう、このファイルはなにも闇の書についてだけを記したものではない。
局の創立当初より行われてきた、不正行為の記録の1部なのだ。
「局が出来た頃は今ほど次元犯罪が多くなかったらしい。
権威を高め、取締りを易くするように、犯罪を自ら作り出し自分等で取り締まる、所謂マッチポンプなんかもやってたみたいだ。
その中でも最悪の結果を招いたのが“闇の書”というわけ」
ファイルをずっと上へスクロールさせる。
そこには管理局の裏歴史がずらりと記述されていた。
尤も、これで全部じゃないんだろうけど。
「参ったな。アランが嫌うのも納得だ」
「でもそれだけじゃないんだろう? じゃなきゃあんな事言わないはずだ」
まったくもって父さんは鋭すぎる。
隠し事なんて出来ないじゃないか、と苦笑した肩をすくめた。
「俺がこれを開いてしまった事を奴等はどこからか知ったらしい」
≪件の“刻の砂時計”は7年前、キングと私が初仕事のときに回収したロストロギアです≫
「5年前の仕事は『休止中のロストロギアの回収』管理局からの依頼だった。
なんだかんだで局は良い金づるだったから受ける事にしたんだけど。
蓋を開けてみりゃ遺跡内でロストロギアは暴走中。
しかも見覚えのあるロストロギアとご対面、てな」
≪加えてこんなものが現場にあれば狙われていた事は明白です≫
「ああ、あれな」
ドラッケンから排出されたのは壊れた小さな機械。
父さんはそれを手に取りまじまじと観察している。
「これは?」
「サーチャー、小型の探索機だな。
5年前は俺の後ろを追う様に設定してあったんだ。
つまり盗撮機みたいな使い方をされてたんだよ」
≪しかも正規の管理局製です≫
大きく溜息をつき、背もたれに体を任せた。
「俺の生存があちらに伝わったら、うちごと狙われかねない。
ここには素質のあるなのはが居るからなおさらだ」
≪故に我々は今までこの事実を隠してきました。
万が一キングが再び狙われても、キングの事情を知らなければあなた方はキングに利用されただけの一般市民となり、管理局の標的は我々のみに絞られる≫
「でもなのはに魔法を教えるならそうも言ってられないだろ。
いざと言う時情報があるとないとでは取れる対策も違ってくるしな」
皆黙り込んでしまった。
どうやら今までの情報を整理しているらしい。
5分ほどして考えがまとまったのか父さんが顔を上げた。
その顔はやはり真剣そのもの。
「アランとなのはが今後管理局に関わる可能性はどの程度だ?」
「それはなんとも。まあこちらから本局に要請しなければ会う可能性があるのは、十中八九実働部隊の連中だ。
あいつ等は大半が高い志を持って入ってきてるから、事情を話せばこちらの味方についてくれる可能性も高い」
≪キングの知り合いだとベストですね。
上の方に報告を上げられた時点で我々としてはアウトですから≫
「地球はなぜか管理局世界の中でも局と関わる確率が高い。
ロストロギアが地球に流れれば確実に局員が来るだろうし。
少なくとも魔力の垂れ流しは危険としか言えないな」
「そうか」
ただでさえ多いなのはの魔力量。
あれを垂れ流しにしていたら、スカウトまでは行かなくとも確実に目はつけられるだろう。
「アラン」
母さんの方を向く。
こんな話をした後もやっぱり母さんは笑顔だった。
「話してくれて、ありがとう。なのはをお願いね」
「いや、悪い。巻き込んで」
「馬鹿が。そもそもお前がいなかったらなのはが助からなかったろうが」
「そうだ。それに息子の為に何かしてやれるなら、俺はそれが嬉しい」
「ああ、ありがとう」
結局俺は皆の事を見縊っていたのだろう。
この人達の家族になれてよかった。
本当に、そう、思う。
≪ちなみにキングにも報告していない事があるのですが≫
だから空気を読まない相棒にちょっとげんなりした。
≪まあ特に問題なさそうなので黙っていたのですが、この際報告してしまおうかと。
魔導師のリンカーコアは成長と共に大きくなる事がありますね≫
「そうだけど、それがどうした?」
≪一度若返った影響かどうかは不明ですが、肉体年齢が5歳を過ぎた辺りから、キングのリンカーコアも大きさだけですがかなり大きくなっています≫
「はあ!? なんだそのわけ分からん現象は」
≪私に言わないでください。事実をそのまま報告しただけなのですから≫
ドラッケンがデータを表示する。
確かにコアはめちゃめちゃでかくなっているが……
「魔力値に変化がない?」
≪だからコアの大きさだけ、と言いました。このような事は前例がありませんが、コアの大きさだけならSクラスはあります≫
「わけがわからん……」
最後の最後に心底疲れて脱力する。
ドラッケンの話がなければ綺麗に終わってたのに、どうやら相棒は俺の事が嫌いらしい。
トラブルマスター、とかつての渾名が頭をよぎる。
これがまた厄介事を呼んだりしないよなあ?
とりあえず、今日語るべき事は語った。
明日からはなのはに色々教えなきゃならないから、この後カリキュラムでも組まないとまずいか。
「とりあえず夕飯の準備しようかしら」
「俺は道場に行く。父さん付き合ってくれ」
「だな。頭がパンクする前に発散しておこう。美由希呼んで来い。アランも来るか?」
「あー、俺は明日からの事もあるし、カリキュラムでも組んでるよ」
「わかった」
最後がちょいとぐだぐだだったが、家族会議は無事(?)終了。
明日から忙しくなるぞと気合を入れなおし、カリキュラムの作成に勤しむ事にした。